この作品は静かな環境でイヤフォンでの鑑賞を強くオススメします。
ボーカルの彼女と二人で2ピースのバンドを組み、各地をトレーラーハウスで
まわりながらバンド活動を続ける主人公ルーベンはドラマーとして爆音の中で
生活してきました。
そんな環境が影響したのか自身の免疫系のトラブルなのか原因は定かではないですが、
彼の聴力が次第に失われてく過程を、観ている我々が作品の音響効果により、疑似体験しながら物語が進んでいきます。
勿論特筆すべきはその音響による鑑賞中の体感なのですが、それ以上に物語としてルーベンの心の葛藤や副題にある”聞こえるということ”について、音楽を生業としている我々にとっては明日自分の身に起こっても不思議ではない内容なので、とても考えさせられるものがあります。
ラストシーンでは"どちらを選択するべき"なのか?という問いを、僕らにも投げかけているように感じました。
ちなみにこちらの作品は第93回アカデミー賞で作品、主演男優、助演男優など6部門にノミネート。編集賞と音響賞の2部門を受賞したそうです。大納得。
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